初めてのバードウォッチング 箕面公園 ツアー・レポート

初めてのバードウォッチング 箕面公園

6/5(土)に催行された 初めてのバードウォッチング 箕面公園に同行してきました。野鳥ガイドの久下氏が案内してくれます。

初めてのバードウォッチング 箕面公園

前日はかなりの雨でしたが、ツアー当日は雨があがりました。雲が多く、快晴ではありませんが、バードウォッチング日和です。ただ、一つだけ気になるのは、厚い雲が多くなると、野鳥の羽が美しく見えないことがあるのです。

最初の観察ポイント

最初の観察ポイント

最初の観察ポイントに到着しました。ここは数年前まで、今ほど見通しが良い場所ではありませんでしたが、強い台風で多くの木々がなぎ倒されて、谷側を見渡せるようになった場所です。まずは、箕面川を挟んだ向かいの山の稜線のチェックです。オレンジの○のような、木立の梢には、タカの仲間のミサゴなどが止まっている場合があります。
赤丸の葉が無い木は、オオルリが止まる可能性がある木です。
ツアーの終了直前に、飛んでいるミサゴを見ることができました。

最初の観察ポイント

数日前に、久下氏がこの観察ポイントに来たときには、オオルリさえずっていたそうですが、この時はいませんでした。もしいれば、8倍ぐらいの双眼鏡でも、オオルリの姿を確認できるはずです。

公園の高木

公園の高木

箕面公園昆虫館の近くの公園にある大きな木から、オオルリさえずりが聞こえます。みんなで探しました。

公園の高木

梢付近に、葉のついていない枝が出ていて、その上に鳥がいました。あれだと思って双眼鏡で見てみると全く青くなく、ヒヨドリかなと思いつつも、フィールドスコープで見てみると、羽が少し青みがかっていたので久下氏に確認してもらうと、オオルリでした。
一つ前の写真の空を見ていただくと分かりますが、この時は、かなり曇っていました。なので、オオルリの羽が青く光っていなかったのです。オオルリカワセミは青くて美しい野鳥として有名ですが、日が当たっていないと、意外と灰色に近いのです。
私は、以前に長男とバードウォッチングをしている時に、わずか7m先の木陰に止まるカワセミに、しばらく気付かなかったことがあります。

スケッチ

このオオルリは、けっこう長い時間さえずっていたので、皆さんと一緒にさえずりを楽しみながら、じっくりと観察していました。お客様の一人が、フィールドスコープを覗きながら、スケッチを描き始めました。いつもは、スケッチブックを持っていて、スケッチをされているそうですが、この時はペンで紙にイラスト調のスケッチを描かれていました。
このレポートに掲載することをお願いして、写真を撮らせていただきました。
バードウォッチングで、高性能なカメラや、その他の撮影機具を持っていない場合、スケッチなどで特徴を押さえておいて、後で図鑑などで種別を確認するという方法があります。
このスケッチは、尾羽の形、くちばしの形と長さが、オオルリの特徴をしっかりと捉えているのです。
※ 他のスケッチを別のページヤブサメでしょうか?でも掲載させて頂いています。

さまざまな鳥の鳴き声

さまざまな鳥の鳴き声

箕面の滝と五月山を繋ぐ登山道の近くで、さまざまな鳥の鳴き声が聞こえるので、その登山道の方へ入っていきました。センダイムシクイキビタキヤブサメさえずりをはじめ、さまざまな野鳥の鳴き声を聞きながら、久下氏のお話を聞かせていただきました。この場所の少し奥は、サンコウチョウさえずりが聞ける場所として有名な場所だそうです。今あげた、センダイムシクイキビタキヤブサメサンコウチョウなどの野鳥は夏鳥と言って、日本よりもはるか南から春先に渡って来て、日本の山林で繁殖活動をします。その繁殖活動の時にオスがメスを誘ったり、縄張りを主張する鳴き方がさえずりなのです。
夏鳥のような渡り鳥だけでなく、ずっと日本にいる留鳥も、繁殖期にさえずります。中でもウグイスの「ホーホケキョ」は有名なさえずりです。ウグイスは繁殖期以外は「チャッチャ チャッチャ」と鳴きます。こちらの鳴き方は、地鳴きと言います。
詳しくは、バードウォッチング基礎知識 鳥の鳴き声のページをご覧ください。

バード・リスニングでヒーリング

バード・リスニングでヒーリング

箕面の滝で昼食を食べた後、林間部でオオルリさえずりや、その他の野鳥の鳴き声に包まれて、しばし瞑想タイム。野鳥の鳴き声は、主に、野鳥を探すために聞こうとすることが多いのですが、目を閉じて野鳥を探さず、聴覚だけで野鳥を感じるのがバード・リスニングです。何を感じるかは、人それぞれですが、ヒーリング(癒し効果)が期待できます。(個人差があります)

展望台でオオルリ

展望台でオオルリ

先ほどの、バード・リスニングの時、ほぼ正面からしっかりとしたオオルリさえずりと、右側の遠くから微かにオオルリさえずりが聞こえました。右側の方に展望台があるので、その展望台に行ってみるとオオルリさえずりが聞こえます。今度は、さえずりを聞くだけではなく、さえずりを頼りにオオルリを探します。
川向うからさえずりが聞こえるので、遠くを見ていると、かなり近くの木の枝に止まって、オオルリさえずりだしました。午前中の公園で見たオオルリは背中側でしたが、この時はお腹側を見ることができました。この時は、葉の茂みの下にある枝に止まったので、またもや青色がいま一つでしたが、双眼鏡でもしっかりと見ることができる距離だったので、皆さん、喜ばれていました。しかし、それほど長い時間はいてくれませんでした。

黄色いセキレイ キセキレイ

キセキレイ

午前中に「あの木も、オオルリのウォッチング・ポイントですよ」と教えていただいた場所に向かって滝道を歩いていると、電線に止まったキセキレイ久下氏が発見。キセキレイって、ちょろちょろと動き回り、なかなか写真が撮れませんが、この時は、久下氏がスマスコ撮影(スコープ越にスマホで撮影)するぐらいの時間は止まっていてくれました。

一推しスポットでオオルリ三昧

オオルリ三昧

午前中にさらりと素通りしたスポットに到着しました。久下氏が一本の梢部分に葉が付いていない木を指さして「あそこにオオルリが来ないか待ってみましょう」と皆さんに声をかけて、「あの木ですよ。双眼鏡で見るのではなく、飛んできて止まる鳥を見つけたら、双眼鏡で確認してください」と要領を説明していると、オオルリが止まってさえずりだしました。

オオルリ三昧

直線距離で70m程ですが、さえずりがすごく通ってきます。ウグイスコマドリオオルリさえずりは、日本三鳴鳥と呼ばれています。このポイントでは、オオルリに日が当たって、青色が映えています。皆さんが喜んでいると、飛んでいきました。

オオルリ三昧

久下氏が「時間もあるので、もうしばらく様子を見てみましょう」と言って10分も経たないうちに、先ほどのすぐ近くの場所に止まってさえずりはじめました。

オオルリとヒヨドリ先ほど、オオルリが止まっていた所に、ヒヨドリがやってきました。おそらく、縄張りの主張をしにきたのでしょう。先日、サンコウチョウを探している時に、ヒヨドリに邪魔をされた苦い思い出がよみがえってきました。
特に攻撃をするのではありませんが、オオルリさえずっているのを邪魔しているのは明らかです。
オオルリは飛び去りました。

オオルリ

オオルリが飛び去った後に、ヒヨドリも飛び去ったので「もうしばらく様子を見ましょう」と久下氏が言うと、またもやオオルリがやってきました。先ほどよりも5mほど右側の水平に伸びた枝に止まりました。
羽から白斑が見えています。これは、メスへの求愛行動の時に見られるそうですが、それほどアピールしているようすではなかったから、近くにメスがいたのかは不明と久下氏は言ってました。

オオルリ

この白斑が写った写真を撮った後に、少し右側に移ったオオルリを撮影してくれました。そこには、このオオルリの向こうに、もう一羽、鳥がいるように見えます。よく見ると、青い部分もあるのでメスではなく、オスのオオルリのようです。
もう一羽、オスのオオルリがいて、そのオスに対して、縄張りの主張をして、白斑が出ていたのかもしれないと、久下氏は説明してくれました。
現場で、はっきりとした行動を確認できたわけではないので、あくまで推測だそうです。

オオルリ

この日オオルリを、背中側から、お腹側から、横からと、さまざまな角度で観察することができました。皆さん、満足されているようでした。

公園の近くで再び

オオルリ

箕面公園昆虫館の近くの公園まで戻ってきました。午前中に、最初にオオルリを見た場所です。オオルリさえずりが聞こえます。箕面川を挟んだ向い側に立つ高木の、張り出した木の枝に止まっていました。初心者では見つけるのは難しい場所でしたが、久下氏は、このような場所にもいる可能性がある例として、皆さんに探すように案内したそうです。

このオオルリが飛んだ後に、今日、出会えた野鳥のおさらいを始めました。すると、先ほどよりも近くからオオルリさえずりが聞こえましたが、おさらいを優先しました。「オオルリさえずりをバックに、鳥合わせをするとは、何て贅沢なんだろうと」と思いました。

出会えた野鳥の一覧

今回の 初めてのバードウォッチング 箕面公園で出会えた野鳥の一覧です。

種名渡り
カルガモカモ目カモ科留鳥
コサギペリカン目サギ科留鳥
ミサゴタカ目ミサゴ科留鳥
カワセミブッポウソウ目カワセミ科留鳥
コゲラキツツキ目キツツキ科留鳥
サンショウクイスズメ目サンショウクイ科夏鳥
シジュウカラスズメ目シジュウカラ科留鳥
ヤマガラスズメ目シジュウカラ科留鳥
ツバメスズメ目ツバメ科夏鳥
ウグイススズメ目ウグイス科留鳥
ヒヨドリスズメ目ヒヨドリ科留鳥
ヤブサメスズメ目ウグイス科夏鳥
エナガスズメ目エナガ科留鳥
センダイムシクイスズメ目ムシクイ科夏鳥
メジロスズメ目メジロ科留鳥
キビタキスズメ目ヒタキ科夏鳥
オオルリスズメ目ヒタキ科夏鳥
スズメスズメ目スズメ科留鳥
キセキレイスズメ目セキレイ科留鳥
ハシブトガラススズメ目カラス科留鳥

 夏鳥 冬鳥 旅鳥 留鳥 に関する詳細は、バードウォッチング基礎知識 鳥の渡りのページをご覧ください。

『日本鳥類目録 改訂第7版』(日本鳥学会2012)準拠

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久下直哉氏監修のバードウォッチング基礎知識です。バードウォッチングを始める方は参考にしてください。

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