白馬岳から栂池自然園 ツアー概要
ツアー日:7/18(土)~7/20(月)2泊3日
ガイド:森田秀樹 添乗:吉田智美 レポート:西岡晃良
天候:7/18(土)雨 7/19(日)雨 時々 曇り 7/20(月・祝)曇り 時々 晴れ
ツアー行程
7/18(土)梅田(8:00発)=京都竹田駅(9:00発)=八方温泉 Hotel Oak Forest 泊
7/19(日)=猿倉(1230m)…白馬尻…白馬大雪渓…葱平…白馬山荘泊(2830m)
7/20(月)…白馬岳(2932m)…三国境…小蓮華山(2766m)…白馬大池…天狗原…栂池自然園(1820m)~ロープウェイ/ゴンドラ=京都=梅田
ポイント
- 全長3.5km、標高差600mある日本では最大規模の白馬大雪渓を歩きます。
- 日本最大の収容人数をほこる山小屋 白馬山荘に宿泊
- 日本百名山の一つ、白馬岳(標高2932m)登頂
- 多くの高山植物が咲くお花畑
- 新潟県の最高峰 小蓮華山(2766m)登頂
- 絶景ポイントの1つ 白馬大池
- 天狗原から栂池自然園
ツアーレポート 目次
- 白馬岳から栂池自然園 ツアーレポート 初日 7/18
- 白馬岳から栂池自然園 ツアーレポート 2日目 7/19
- 白馬岳から栂池自然園 ツアーレポート 3日目 7/20
- 白馬岳から栂池自然園 ツアーレポート お花(別ページ)
白馬岳から栂池自然園 ツアーレポート 初日
あいにく、初日は朝から小雨。この日はバス移動とホテル宿泊のみで、天気予報では午後からは雨は上がるとの事なのでそれほど気にならない。もっとも、心配していた台風直撃は免れたので、実際にはとてもラッキーである。
途中の休憩でも、ほとんど傘は必要は無い状況。
Hotel Oak Forest
夕方に白馬村 八方温泉のHotel Oak Forest に到着。八方スキー場のみそらのエコーランドの奥にあり、落ち着いた感じのホテル。天然温泉の大浴場には露天風呂もあって気持ちいい。
夕食はお肉の陶板焼き、イワナの塩焼きを中心に充実の内容。夕食時にガイドの森田さんから、3日目の下山時の雪渓で使うカラビナの説明がありました。
朝食も美味しかったです。
白馬大雪渓を登り白馬山荘へ ツアー 2日目
山の天気と言うのは、一般の天気予報が通用するとは思っていないもののTVの天気予報を見て「今日は晴れるはず」と期待してします。
猿倉
朝、期待して起きましたが、残念ながら雨。
登山開始場所の猿倉に着いた6時半頃は、雨脚が強まり完全にレインコンディション。
当然ながら、フルレイン装備で準備体操をして入山です。ブナ林の中を抜けてしばらく林道を歩きます。
台風での大雨の影響でしょうか?川の水もすごい勢いです。
猿倉から白馬尻までの道も、流水が流れ込んで道を横切るように川ができてました。
雪渓から流れてくる水の量も、通常よりもはるかに多いそうです。
林道沿いのオオカサモチ、キヌガサソウ、タニウツギ、ニリンソウ、ヨツバヒヨドリなどの花を愛でながら進みます。
林道の終わりから登山道に入り、白馬尻の小屋を目指します。
白馬尻
1時間半ほど歩いて白馬尻の小屋に到着。
トイレ休憩と装備の再チェックです。
「最近の台風の影響で地盤が緩んで、杓子岳からの落石が増えていますのでご注意ください」とインフォメーションされていました。
雨の勢いは少しゆるくなり小雨になりましたが、白馬大雪渓の上部は霧に覆われています。
白馬大雪渓
白馬尻の小屋から少し登ったところ、雪渓の取り付きで足を踏み入れて、ケルンよりアイゼンを装着します。
アイゼンを装着したら、いよいよ、日本で一番大きな雪渓である白馬大雪渓を登ります。白馬大雪渓は全長3.5km、標高差600mもあります。
雪渓の端は落石が多いので、雪渓の真ん中付近に赤い粉で記されたルートに沿って登っていきます。
時々、カラカラカラと乾いた音が横から聞こえてきます。音がする方を見てみると、杓子岳からの雪渓の上を石が転がってくるのが見えます。
岩尾根 葱平
白馬大雪渓を登りきり、岩尾根の葱平(ねぶかっぴら)の岩場でホテルで受け取った昼食のお弁当を食べます。とても美味しかったです。お弁当を食べたら岩尾根を登ります。
この辺りもお花がたくさん咲いていました。
白馬岳は花の百名山で新・花の百名山なのです。
お花の写真は別のページでご紹介しております。
合わせてご覧ください。
⇒ 白馬岳から栂池自然園 お花の一覧
小雪渓
岩尾根を過ぎたら、再びアイゼンを装着して小雪渓を横切ります。数日前に滑落があったという事で、雪渓をチェーンソーで切り出し、横断路を安全に横切れるように整備していました。この辺りでは緊張感のある行程だったので、写真を撮る余裕が有りませんでした。
数度、アイゼンの脱着を繰り返します。
お花畑
そこかしこに美しい高山植物が咲いています。先ほどまでの雪上の景色とまったく違う世界です。晴れていたら、空の青と、雪渓の白、草花の緑のコントラストがもっと鮮やかだったことでしょう。
お花の写真は別のページでご紹介しております。
合わせてご覧ください。
⇒ 白馬岳から栂池自然園 お花の一覧
サプライズ!
白馬山荘のすぐ手前まで来た時、かなり霧が発生していました。眺望を楽しめない代わりにサプライズが!
特別天然記念物の雷鳥の親子が、お花畑の中を散歩しています。
晴れていると天敵に見つけられるのを警戒して、ハイマツの中に居る、警戒心の強い鳥なので、霧が発生した事が雷鳥の警戒心を緩めたのでしょう。
白馬山荘
雷鳥が離れていったので、白馬山荘(標高 2830m)に向かうと、突然の大粒の雨が降り出しました。
みんな、白馬山荘に駆け込みましたが、けっこう濡れてしまいました。
白馬山荘前での集合写真や白馬山荘の写真を撮ることはできませんでした。
僕は軽い高山病にかかったのか、少し頭痛がするので夕食まで仮眠をしました。
この日は連休の真ん中なので満室です。夕食は、大食堂で頂くのですが、なにぶん800人収容の山荘です。長蛇の列ですが、スタッフは慣れたものです。効率よくお客さんを回すので、列の長さの割には、あっという間にテーブルに着くことができました。メニューはハンバーグ定食ですが、3000m近い標高の山荘とは思えないごちそうです。
大食堂とは別にあるレストラン、スカイプラザ白馬からの眺望は有名ですが、残念なことに、外は霧と雨のために視界はゼロでした。
白馬岳登頂 白馬大池 栂池自然園へ ツアー3日目
白馬岳 登頂
白馬山荘を夜明け前に出発です。目指すは日本百名山のひとつ 標高2932mの白馬岳山頂です。
気象状況は厳しく、かなりの強風と濃霧の中をヘッドライトを付けて登ります。降雨ではありませんが霧雨。山頂までは20分程の行程です。
白馬岳に登頂しましたが、残念ながらここでのご来光は断念です。
三国境へ
濃霧で強風の中を慎重に三国境の方に降ります。朝日が昇り周りが明るくなるにつれて、少しづつ霧が晴れてきました。
三国境はその名の通り、長野、富山、新潟にまたがっています。
小蓮華山 新潟県の最高峰
三国境から小蓮華山へ向かいだすと、視界はかなり開けて日本海が見えるようになりました。
視界が開けてきたので白馬岳を一目見ようと、何度も振り向きますが、白馬岳は、なかなかくっきりとは姿を現しません。
白馬尻の小屋と白馬大雪渓の下の方が、眼下、はるか遠くに見えています。
離れた山に雲がかかってはいるものの、稜線部付近の霧はすっかり無くなり、風も穏やかになりました。稜線上を軽快な足取りで進み、標高2766m 新潟県の最高峰 小蓮華山(これんげさん)に到達。小蓮華山は大日岳(だいにちだけ)とも呼ばれています。
船越ノ頭(ふなこしのかしら)
船越ノ頭を経由して白馬大池を目指します。雲の上に太陽が顔を見せ、写真もモロに逆光に。
富士山が薄っすらと見えます。
多くのハクサンイチゲが咲いています。ベテランガイドの森田さんが「タクサンイチゲですよ~」と言って笑いを取っていました。
白馬大雪渓が見えます。左下には白馬尻小屋。(写真をクリックすると大きな写真が別画面で開きます)
浅間山(あさまやま)から煙が上がっているのがはっきりとわかります。
絶景を楽しんでいるうちに船越ノ頭(標高 2612m)に到着です。
絶景!船越ノ頭から振り返れば、今歩いてきた稜線を見る事ができました。
白馬大池
船越ノ頭から下るにつれて、白馬大池がどんどん近くになっていきます。
左方向には、甲信越百名山の雪倉岳や朝日岳が見えます。残雪の白と植物の緑のコントラストが美しいですね。
白馬大池をバックに集合写真をパチリ。
⇒ この集合写真の拡大写真を見る ⇒ 別の集合写真の拡大写真を見る
(別画面で大きな写真を見る事ができます)
白馬大池山荘がすぐそこに。テントがいくつか見えます。右方向、ずっと向こう側に次の目的地 白馬乗鞍(標高 2469m)のケルンが見えます。
朝9時半ですが、白馬大池山荘の横で昼食のお弁当を食べます。
乗鞍岳 白馬乗鞍岳
白馬大池のほとりを歩いて対岸へ向かいます。池のほとりでは何か所か緊張感の漂う場所があり慎重に進みます。池から離れて行くとしばらくしてケルンが見えてきました。
乗鞍岳(標高 2436m)の山頂に着きました。飛騨山脈の乗鞍岳と区別するために、白馬乗鞍岳もしくは白馬乗鞍と呼ばれています。
倒れた標識を、ガイドの森田さんと添乗の吉田さんが、建て直しています。
下りの雪渓
アイゼンを装着し、雪渓に設置してあるロープに、カラビナとハーネスで滑落防止の対策をします。
ロープを掴んで、慎重に雪渓を下ります。
天狗原
天狗原へ降りてくると、一安心しました。
天狗原から振り返ると、先ほど下りた雪渓が見えます。
栂池自然園ビジターセンターを目指して
天狗原の木道を軽快に歩くのもつかの間、栂池自然園ビジターセンターへの下りには苦労しました。
今朝までの雨で山道がぬかるみ、岩や木が滑って足元が非常に不安定です。滑ってこけそうになり踏ん張るので、通常よりも足が疲れます。もう、足が限界かと思った頃に栂池自然園ビジターセンターの近くに下りました。数は少ないですが、まだ水芭蕉が咲いていました。
朝の出発を早めたにもかかわらず、早朝の悪天候、雪渓の下り、天狗原~栂池自然園ビジターセンター間の混雑などからロープウェイの乗り場に着くのが1時間半遅れてしまい、残念なことに、皆さんが楽しみにしていた温泉入浴を諦めることになりました。
ただ、強風の中の歩行や足場の悪い中の下山などがありましたが、全員が無事に下山出来て良かったです。
このツアーで見る事ができたお花
別のページでご案内しております。
記:西岡晃良
白馬岳の登山ツアーの一覧
ツアーの一覧を別画面で表示します。必ず、コース詳細ページの「旅程」などツアー内容を確認上、ご予約下さい。