ツール・ド・モンブラン レポート ~シャモニ

ツール・ド・モンブラン10日間(前編)ツール・ド・モンブラン10日間(中編)とお届けしましたが、今回が最終回となります。

ツールドモンブラン5日目

9/8(木)  ツアー7日目

ホテルで朝食を済ませ、専用車とタクシーに分乗して小さな町・ポイティへ。
今日はここから樹林帯を抜け、スイス・フランス国境のバルム峠(2191m)を越えます。

車道から砂利道に入り、牧場脇を登って行きます。

その牧場には黒い牛が放牧されていました。ピエールの説明によれば、この地方では毎年闘牛の大会が開催されていて、昔からこの近辺で飼育されているこの黒牛を使うのだそうです。元来この種類の牛はとても気性が荒く、巨体で力持ちなので、その特性を利用して闘牛が行われます。
そして勝利した牛には大きく立派なカウベルが、そのオーナーには栄誉が与えられるとのこと。
スイスに闘牛があるなんて知りませんでした。

近くで見るととても強そうです。

やがて道は樹林帯の中の登りとなり、やがて視界が開けると

目指すバルム峠が見えてきました。

どんどん標高を上げていきます。

ヤナギランがまだたくさん残っていました。

地面近くには紅葉したクロマメノキ。ブルーベリーです。
口に含むとほのかな甘みと渋みで、素朴な秋の恵みを感じさせてくれます。

バッタもひなたぼっこしていました。

登ってきた方向を振り返って。あともう一息です。

バルム小屋に到着。

スイスとフランスの国境、バルム峠(2191m)に到着しました。
モンブラン山群とシャモニを見渡すことができます。

やはり国境の目印は標柱のみ。

最後の国境越えも笑顔でクリア。素晴らしい!

他の登山者も思い思いにゆったりとくつろいでいます。

いつまでもここで眺めていたい誘惑に駆られますが、昼食場所へ向けて出発。

山腹をトラバースするように進み、

度々立ち止まっては絶景に目を奪われます。

空にはパラグライダー。こんな日に飛べたら気持ちいいでしょうね。

この山と谷の広がり。このスケールの大きさは日本にはありません。

山の中の小さなレストランに到着。

 

前菜とメイン。メインはパンの上にチーズとピクルスを乗せてオーブンで焼いたスイス郷土料理。
シンプルだけど美味しい。

そしてデザートはアイスクリーム。山の中で食べるアイスはまた格別です。

お腹もいっぱいになってフランスの小さな町・ヴァロルシーヌへ向け下山です。

村の外れに出て、鉄道が見えてきたら本日の宿はもうすぐ。
田舎の小さなホテルにチェックインして、希望者は近くの滝を見に行きました。

どんな滝かとあまり期待せずに行ったら結構な迫力の滝で驚きました。

ホテルに戻って夕食です。メインは牛の煮込料理、柔らかくて優しい味で、とっても美味しく頂きました。
明日はついにツールドモンブランの最終日です。

ツールドモンブラン6日目

9/9(金)  ツアー8日目

本日も朝から快晴!最終日は正面にモンブラン山群を眺めながらのパノラマトレッキングとなり、素晴らしい展望に期待できるので今日も一日晴れてほしいところです。
ホテルで朝食後、専用車にて登山口のモンテ峠へ向かいます。

峠には自然公園の管理事務所があります。実は今回の私たちのガイド・ピエールは過去4年ほどこの管理事務所に勤務し、ここを訪れる人たちに自然や地理のことをガイドしていたとのこと。道理でいろいろ詳しいわけです。

出発してしばらく急なつづら折れの登山道となります。
眩しい朝日が当たると、すぐに暑くなってきました。

ふと山の斜面を見ると動物を発見。

アイベックスと呼ばれる野生のヤギ、母と子の親子でした。

その後も登山道近くにたくさんのアイベックスが現れました。その都度撮影会のスタート。

こちらは2頭の兄弟でしょうか。ひとを恐れる気配は全くありません。悠然としたものです。

なんだよ、じろじろ見て・・とでもいいたそうな表情。
ピエールによるとこのアイベックスは狩猟対象外の保護動物なので人が近寄っても逃げないということです。
同じく山中に棲むシャモア(カモシカの仲間)は狩猟対象となっているので、大変警戒心が強く人影を見るとあっという間に逃げてしまうのだとか。

アイベックスの兄弟に別れを告げて先へ進みます。

本当にいいお天気に恵まれました。

進めばそれだけ景色が変わって、白いモンブランがどんどん近づいてきます。

いくつかの小さな池を通り過ぎて標高を稼ぎます。

やがて比較的大きな湖、シェズリー湖へ到着しました。

素晴らしい絶景の中、待ちに待った・・・

ランチタイム!今日のお弁当はわざわざシャモニから運んできた日本レストランのおにぎり弁当です。
塩気の効いた海苔むすびとから揚げ!日本人シェフが作ってくれたお弁当は最高でした。

湖面に映るモンブラン山群。

本来ここからフレジェールのロープウェイまで直行するのですが、今回はみなさんのペースがとてもいいのでピエールと相談の上、もうちょっと頑張ってさらに上にある山上の湖、ラックブランへ。
時間がぎりぎりだけど、このメンバーなら行けるだろうと決定。

やや急な岩がちの道を進むと梯子もありますが、慎重に通過すれば大丈夫。

坂を登りきると小屋の前に出てきました。

ラックブランに到着!行程には入っていないオプションコースでしたが、みなさんのおかげでここまで来ることができました。

さらに欲張ってラックブランを見渡す丘の上へ。

白く輝くモンブランと中央の谷に流れ下る氷河・メールドグラスが見えます。
その奥に聳える台形の絶壁がグランドジョラス。まるで絵葉書の中に見るような景色です。

メールドグラスとグランドジョラスのアップ。昼過ぎなのでやや霞がかっていますが、それでも展望良好。

ただただ圧巻。何度も仰ぎ見て、時間がゆっくり過ぎていきます。

かすかに湖面の方から楽器の音が聞こえてくるので見ると、アルプホルンの練習をしていました。
すり鉢状の地形に反響してやさしいアルプホルンの音色が響きます。

絶景を堪能して下山にかかります。

ゆっくりした分、ここからはロープウェイに向けてどんどん下ります。

コース終点まであと少し。

フレジェール駅に到着!

いつものように整理体操を済ませ、ロープウェイで下山。シャモニの街はもうすぐです。

長い道のりを経て、5泊6日のツールドモンブランが終了しました。

ホテルロビーにて、われらがガイド、ピエール&ダニエルの挨拶と完歩証の授与式が行われました。

一人一人、握手でトレッキングの成功をたたえ、みんなで喜びを分かち合います。

最高の笑顔、みなさんおめでとうございました!本当にお疲れ様でした。
ここでガイドのふたりとお別れです。ピエールとダニエル、ありがとうございました!

夕食は近くの日本食レストラン・さつきで頂き、ホテルへ。達成感でいっぱいの帰路、お話ししながらシャモニの街を歩きます。モンブランの上には半月がかかっていました。

帰国 ツアー9.10日目

9/9(金)~10(土)

ホテルで朝食を済ませ、専用車にてジュネーブへ。KLMオランダ航空にてアムステルダム経由、東京成田空港、大阪関西空港への帰途に着きました。アムステルダムからの東京便は突然の機材変更に伴うオーバーブックで突然経由便に変更され、あわただしいお別れとなり、ご心配をおかけいたしました。
往復とも空港でのアクシデントに悩まされましたが、トレッキング中は素晴らしい天候に恵まれて全行程を順調に終えることができたのは、ひとえにご参加の皆様のおかげです。
今回はトラベルギャラリー主催のツール・ド・モンブラン10日間にご参加頂き、誠にありがとうございました。またどこかの山でご一緒しましょう!

トラベルギャラリー 井上

ツール・ド・モンブラン ツアーのご案内

モンブラン山群一周 アルプス展望の山旅 「ツール・ド・モンブラン」
ツアーの詳細はコチラ ⇒ モンブラン山群一周 アルプス展望の山旅 「ツール・ド・モンブラン」 10日間